酒の設計図?

画像は愛犬モカさん(柴♀5歳半)・・・本文は酒ネタです(笑)

また話は遡りますが

やっと初めての酒米も無事収穫出来て
一安心かとおもいきや
そういうわけにも行きません。
こういう酒にしたいというイメージを
具体的にプランを立てていかなければならないからです。

例えば
味や香りはこんな感じ
精米歩合はどれくらい
販売価格はどの位でいこうか  等々

味がしっかりしていて
旨みがグッと来る飲み応えが欲しいし
強すぎずそれでいて心地良い香りも引き出したい
せっかく自分で作った酒米だから
あまり余計な手は加えたくない

高級で手の届きにくい酒を造りたいわけじゃない
専門家が口にしてうなる酒もいいけど
日常に溶け込めて気軽に飲める
田舎らしさを感じる酒
ちょっとした塩尻のお土産にも使えればいいな
そうやって
色んな要素を加味していくと
純米酒だよな
(自分が純米系の酒が好きだったこともあり)
後味のスッキリ感も欲しいからもうちょっと精米歩合あげて
特別純米酒    うん
酵母は県産のアルプス酵母
香りは立ちすぎずほどほどの酸味が特徴

美寿々酒造さんとも色々相談した結果
精米歩合は59%
旨みもしっかり出しつつ
重すぎず爽やか感も欲しいので酸はやや強めにしてみよう
値段は一升瓶で2,400円(税抜き)
造りたい酒の狙いや仕様とコストから
ちょうど良い価格帯じゃないか

細かい所は挙げたらキリが無いですが
方向性は決まりました。
最初の年に収穫した酒米はおよそ1,500㌔
59%の精米歩合で磨くと
実際に仕込みで使うのは867㌔
原料はこの米と水と麹だけです。
あとは人の手と気持ちですかね。

数値というと
ラベルに色んな数値が記載されています。
精米歩合・アルコール度数・酸度 等々

仮に同じ数値であっても
作り手や蔵の特徴で違ってくるので
お酒を選ぶときの参考にはなりますが
飲む方の好みの問題とかありますので
お店の方に良く聞いてみてくださいね。

ちなみに緑香村の精米歩合は
数年後から現在まで55%でやっています。

準備も整いつつ
初めての仕込みになるわけですが
当時は美寿々酒造さんにも
小谷村(北アルプスの麓の地域昔から小谷杜氏というのは有名)
から杜氏さんが冬の間泊まりこみで来ていました。
杜氏さんというのは、ご存知の方も多いと思いますが

酒造りの最高責任者、現場監督的な存在です。
この杜氏さん、すごく良い方で
緑香村の話を持ち込んだときも熱心に聴いてくれて
「ぜひやるじゃんか」くらいに言ってくれました。
この人と社長に任せれば
必ず良い酒が出来るだろうと
ものすごく心強かったですね。

仕込みの期間中は
蔵人以外が出入りするのは
ものすごく敬遠されるものですが
酒造りの話を色々教えてもらったり
蔵の作業も一緒にさせてもらったりと
ものすごく良くしてもらいました。
その後
地元を離れて一冬を泊り込みで杜氏の仕事をするのは
年齢的にも色々な事情からも大変ということで
地元に戻られましたが
最初の年はそういう意味でも思いで深いものがあります。

それからは美寿々酒造さんでは
社長が自ら杜氏として仕込みをされてますが
この方もすごいです。
何がすごいって
酒造りへの研究心やら嗅ぎ分ける感覚やら
仕事熱心な姿勢やら
結果造る酒はファンが多いのも頷けます。

なんやかんやと10年以上
緑香村の仕込みにあわせて
真冬の蔵の仕事も見させてもらってきて
酒造りの仕事は素敵だなといつも思います。
まあ実際は
朝は早いし  水は冷たいし  寒いし
重労働だし  気は抜けないし
大変なことばかりですよ。
でもそういう苦労があるから
良いお酒ができるんでしょうね。

でも一冬の間、毎日蔵で働くとしたら

自分には無理かな

・・・・・・寒いの苦手なんで/・_・\