美山錦 出荷と等級検査
美山錦の収穫が終わって
田圃はすっかり寂しくなってしまいましたねえ。
周りの田圃も
ほとんど稲刈りが終わったので
ちょっと前まで一面が黄金色だった景色も
ずいぶんと様子が変わってしまいました。
乾燥と玄米調整をした美山錦
一旦は農協に持ち込みます。
特定名称酒の原料米には
等級がついたものを使用するべし
という決め事があるので
検査を受ける必要があるんです。
今年の収穫量は
玄米の状態で2,100kg。
昨年よりも大分増えちゃいました。
というよりは
美山錦作り始めてから
一番収量は多いんではないか?
ここのトコ
収量が下降気味だったので
増えたのはよい事ですが
あまり穂が付きすぎると
粒が小さかったり不揃いだったりで
質に影響が出てしまいます。
適正な植え付けで大粒に仕上げることが
酒米には大事なんですが
ちょっと植え付け本数が多かったのかもしれませんね。
で
等級はどうかというと
今年も二等という評価でしたぁ。
見てみると
全体的に粒が小さいような
あるいは不揃いだったりと
なかなか上手くいかないです、ホントに。
まあ その辺の印象も含めて
ほぼ例年と同じレベルだと思いますので
そんなに悪いわけではないでしょう。
まあまあかな(笑)というトコで。
それと酒米で肝心なのが
「心白」がしっかり出ているかどうかです。
ちょっと細かい話ですが。
「心白と」いうのは
酒米特有の性質で
米の中心にあるデンプン質の白い塊のことです。
普通の食用米はたんぱく質がメインで
栄養価や食感が求められるので
米粒もわりと透明度が高いんです。
酒造りの場合
デンプン質が多いことで
麹菌が繁殖しやすく醪(もろみ)に溶けやすく
アルコール発酵が進みやすくなるんです。
一般的にはたんぱく質が多いと
米が溶けにくく雑味が多くなると言われています。
というわけで
酒米の大事な要件として
・大粒で豊満なこと
・心白が中央にくっきりあって、大きすぎないこと
・たんぱく質の含有量が少ないこと
・高度精白の際、無効精米率が低いこと
(精米歩合を上げたときに割れたりしない)
ということがあげられます。
この辺のお話はまたしたいと思いますが
収穫した美山錦は
心白がしっかりあるものや小さいもの
あるいはぼや~っとしたもの、
ばらつきがけっこうあるので
それを向上させるのが一番の課題でしょうかね。
毎年毎年が勉強です
また来年頑張りましょう。
ウチの酒米は
これから仕込みにあわせた精米をして
美寿々酒造さんに運ばれます。
冬の仕込みまではもうしばらくありますが
それぞれの蔵元では
そろそろ準備が始まる頃です。
ひやおろしが発売中です
皆さん楽しんでますか?
それと
10月1日は日本酒の日です。
季節的にも日本酒がとてもフィットしますので
今日ばかりと言わず
機会ある毎に日本酒たくさん飲みましょう(笑)。
乾杯から日本酒で行ってみよう!
※10月1日はコーヒーの日でもあるんだって。
新聞広告は圧倒的にコーヒーの日が目に付いてびっくりだ。
「知らないなんて、まずいんじゃないのか」
「あー、コーヒー、飲みてぇ。」
って 松田優作かっこよすぎでしょ・・・
コーヒー協会やるなあ。
「あー、日本酒、飲みてぇ。」
って 誰が言ったらバシッと決まるかな。