緑香村・もうすぐ新酒発売

緑香村の仕込み経過をなかなかお知らせ出来ないでいるうちに1月もあっという間に終了。

予定よりも若干日数がかかってぼちぼち搾りになるところです。
アルコール分や日本酒度などの上昇具合がややゆっくりと進んでいるので綺麗な味に仕上がることを期待できそうです。

昨年秋に収穫した原料となる美山錦。
玄米で2,100kgあったわけですが
緑香村の仕込みでは精米歩合が55%なので
実際仕込みに使うのは1,155kgとなります。

酒米の特性として
中心部にデンプン質が集まる「心白」がありまして
麹菌の作用で糖化されやすく
発酵による上質のもろみが出来上がります。

精米歩合が上がるほど
より中心部に近い部分を使うことになるので
雑味の少ないより上質な日本酒が出来ます。

玄米(2,100kg)⇒精米(55%)⇒仕込みに使う白米(1,155kg)

このお米を一度に使うのではなく
仕込みの段階ごとに少しづつ量を増やしながら
作業を進めて行きます。

一般的に
仕込み作業は4段階。
ざっくり言うと

酛立て⇒添仕込⇒仲仕込⇒留仕込。

作業ごとに
あらかじめ用意した麴米と
その日の朝蒸かした蒸米、
そして水を加えながら
徐々に増量して均等に発酵させるというやり方です。

以下、
お米や水の大よその使用割合と段取りです。

まずは「酛立て」。
酒母となるものですね。
イメージとしては
お酒のベースになる濃い原液でしょう。
これは小さいタンクで行います。
あらかじめ用意した麴米(酛麴30kg)に
掛米(酛米70kg・その日の朝蒸かしたお米)と水を加えて
10日間しっかりと発酵させます。

酛が出来たらここから4日連続します。

次は「添仕込」。
麴米(添麴70kg)+掛米(添米115kg)+水(160リットル)。

ちょっと増えた。

ここで1日置きつつ
大きなタンクに移し変えます。

そして「仲仕込」。
麴米(仲麴80kg)+掛米(仲米270kg)+水(420リットル)。

大分増えたぞ。

最後に「留仕込」。
麴米(留麴80kg)+掛米(留米440kg)+水(790リットル)。

これで仕込作業は終了。
ここから搾るまで約30日前後です。

もろみの発酵が急激に進むと
雑味が増えたり荒っぽくなりすぎます。
アルコール分や日本酒度がゆっくり上昇するように
日々の温度管理や成分分析が欠かせないので
仕込から出来上がりまでは
地道で気の抜けない日が続くのです。

どうです、結構な日数かかってるでしょう?

※麴米⇒蒸したお米に麹菌を振りかけて
よ~く揉みこんで麹菌を繁殖させたもの。
出来上がりに4日かかる。
※掛米⇒作業当日に蒸かしたお米を
適温に冷ましてタンクに入れるもの。

毎年良いお酒を仕上げてくれる
美寿々酒造の皆さんと
社長の熊谷杜氏さんに感謝です。

ということで
いよいよ今季も新酒の発売が近づきました。

店頭での発売は2月11日(土)予定です。

丹精込めた手作りの味わいをぜひどうぞ。

楽しみだなあ(笑)。

またお願いします。